考古学者として活躍されている森岡秀人さん(芦高25期生・史学研究部OB 関西大学大学院非常勤講師)が2月6日(水)夜10時25分からNHK総合テレビの「歴史秘話ヒストリア―まぼろしの王国 銅鐸から読み解くニッポンのあけぼの」に出演されます。番組では、弥生時代の銅鐸をテーマに淡路島の松帆銅鐸や神戸市の桜ヶ丘銅鐸(国宝)、滋賀県野洲川流域にある弥生時代の大岩山遺跡、伊勢遺跡さらに奈良県の纒向遺跡などが取り上げられます。
◎番組後半のテーマ「銅鐸はなぜ歴史から姿を消したのか?」をめぐって、
井上あさひキャスターが、倭の国々の統合は「魏志倭人伝」に『共立』と記されているとして、「倭国はもともと男を王としていた。しかし何年もの内戦に陥った、そこで1人の女子を立てて王とした・・王の中の王として。女王卑弥呼の共立の場こそ伊勢遺跡だったというのです。」と紹介。
そして、森岡さんが「各地かなり広範囲の人たちが卑弥呼を推戴する、1人選んだわけです。その1人を選んだ地が共立の場であり、共立の行為だと思うんです。師升*から女王卑弥呼へという流れの中で一番重要な1~2世紀に展開した遺跡です。」と解説されました。
さらに井上キャスターは「巨大な銅鐸を含むどれも華麗な装飾を施された大岩山遺跡の銅鐸が伊勢遺跡の巨大な建物に祀られた。もちろん、これは銅鐸の合体と消滅を解き明かす一つの解釈、多くの謎が残されています。日本最大にして最後の銅鐸、これはこの国が一つにまとまる新たな時代へと踏み出した記念碑なのかもしれません。」「ところが、紀元200年頃にはすべての銅鐸が姿を消しました。」と紹介。
森岡さんは「銅鐸をストップして生産を停止する、その決断を卑弥呼がやったのではないか。」と推測。
番組の最後に、銅鐸が埋納され姿を消した後、奈良県の黒塚古墳から、銅鐸に代わり新たに国の宝とされた鏡が出土した。権力者は祭祀にあたり鏡を使うようになった、と説明されました。
◎現代でも、鏡は、皇位継承にかかる「三種の神器」の一つであり、多くの神社のご神体として祀られている。
*師升(すいしょう):紀元107年頃の倭の国王、後漢の皇帝に謁見を求めたと「後漢書東夷伝」に記されている。
(参考記事:朝日新聞2019年1月8日付・・森岡さんが取材協力されました。)
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